タイ料理の地域ガイド
タイ北部チェンマイ料理
北の薔薇とも例えられるタイの北部チェンマイは、国境付近のミャンマー、ラオス、中国等の文化を色濃く受けた独特の地域性をもっています。代表する伝統料理「カントーク」は、ランナー王朝時代に、王族が来客をもてなす際に料理をのせる丸いお膳(篭)のこと。主食の餅米は手で摘んで軽く押すと甘みが増します。
名物に「カオソイ」というカレーヌードルがあります。黄色い卵麺を半分揚げて、半分を茹で、薬味を好みで加え、少なめのココナツ風味のカレーに絡めて食べる人気の料理です。
タイ東北部イサーン料理
心のふるさとイサーンの食文化は多彩で刺激的。世界でも似たものが無く、無限の魅力に溢れています。「カオクワ」という炒った餅米を使って香ばしさと食感を、魚を漬込んだ伝統的な醗酵調味料「バラー」でコクと深みを出します。有名な腸詰めの「サイクロークイサーン」は丸形で、豚肉に餅米と大蒜を入れ自然発酵させた独特の酸味が特徴。ノコギリ型のパクチーファラン、皮付きレモン、生姜、生唐辛子、炒ったピーナッツなどの薬味と一緒に食べるのがイサーンスタイル。薬味は少しずつを合わせて一口でお召し上がりください。お口の中で異なる素材が一つに調和します。これがタイ料理の醍醐味で「クロムクロム」といいます。
タイ中央バンコク料理
バンコクには全ての地方料理があり比較的マイルドな味わいです。国際的な5つ星ホテルも多く、都会的で贅沢なタイ料理も多く見られます。中華料理をタイのスタイルにアレンジした料理、米粉の麺なども多く食べられています。ラーマ5世時代に発展した宮廷料理も中央部の料理のひとつ。手の込んだフルーツや野菜のカーヴィング、花で色付けした前菜やデザートなど、芸術的で華やかな王宮の想わせるお料理が特徴です。屋台から現代の宮廷料理までが一度に楽しめる所がとこバンコクです。
タイ南部料理
タイ全土の中でも最も辛い南部料理。世界で一番美味しい料理と評される「マッサマンカレー」の当地。南の島には、美しい色のターメリック、パッションフルーツ、バナナの蕾やジャックフルーツ、強烈な香りと苦みが印象的なサトー豆や蝦醤「カピ」など多彩な素材があります。フレッシュハーブ、ココナッツミルク、旬の野菜やお肉、豊富なシーフードなどと南の島の伝統的レシピで調理します。島流しの鬼も黙ると云われるとっても辛いタイ料理。興味深い南の島サムイの食文化を覗いてみましょう。